未来の坊主のたわごと

1992年生。お坊さん見習いやってます。

「どうして人を殺してはいけないのか」にどう答えるか。

どうして人を殺してはいけないのか。
たまに耳にするこの問いについて、ちょっとだけ考えてみました。

結論から言えば、
人を殺すのは良くないと皆が思っているからだ、というのが僕の見解です。

人を殺してはいけないというのは普遍的なルールではありません。
武力の時代には、多くの敵首を上げた武将をその社会で高く評価されたようです。
近代の戦時中でも、よりたくさんの資源(人、モノ)を破壊することが公的に求められたと言います。

歴史的に見ても、
人を殺してもいい(殺してもいい人間がいる)と皆が信じれば、人殺しが正当化される世の中になるのは事実でしょう。
要はその社会に、殺しを正当化させる大義名分があるかないかの問題です。

その証拠に、現代日本でも死刑廃止論がたびたび話題に上がりますが、
廃止賛成派は、どんな理由があろうと命を奪うことはダメだという立場に立った主張が展開されます。
一方の廃止反対派は、死に値する(罪を犯した)人間に限っては死刑をも辞さないという、条件付きで人を殺すことを容認した考えに立脚しています。

死に値する(罪を犯した)人間は死刑をも辞さない、と考える人ばかりの社会があるとすれば、そこでは死刑廃止論は巻き起こらないでしょう。

したがって、人を殺してはいけないという社会通年は、
人を殺してはいけないと感覚的に思っている人が多数を占めることで成り立っているとの結論に至った次第です。

まだまだアップデートの余地のある結論です。
「どうして人を殺してはいけないのか」みなさんはどう答えますか?